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金属材料の寸法依存性に関する研究

・寸法依存性とは何か?


 寸法依存性とは材料の寸法が非常に小さい領域において,その機械的性質が寸法に応じて異なってくることです.例えば,図1のように材料の板厚が薄くなると,その材料の強度が上昇するという不思議?な現象が知られています.しかし実験の困難さから,この理由を説明するのに十分な材料試験データは得られておらず,その核たる要因はいまだに解明されていません.そのため,世界中で現在盛んにこの研究が行われています.




図1  板厚24, 31, 51μmのアルミニウム薄膜の引張試験結果(公称応力-公称ひずみ曲線)


・ 研究内容について


 本研究では,実験とシミュレーションの両観点から寸法依存性を解明しようとしています.シミュレーションでは,これらの物理現象を表現した数式,いわゆる構成式(ひずみ勾配結晶塑性理論)を導入し,有限要素法を用いてコンピュータに計算させます.そのため,実験では知ることのできない内部応力などの詳細な情報を知ることができます.一方実験では,金属箔の引張試験や曲げ試験などを行い,その材料特性の寸法による変化を調べています.

      
              図2 マイクロベンド・シミュレーション




       図3  板厚50μmアルミ箔の曲げ試験


・ どんなものに応用可能か


 近年では,電子機器の小型化やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の発達により,構成部品の微小な製品が増えています.これらの強度や寿命評価を行う際,従来の方法では材料の寸法依存性を考慮していないため,相対的な負荷応力が同じであれば製品の大小に関わらず評価値は同一となり,したがって強度や寿命を誤って評価することになります.材料の機械的性質が寸法に依存するメカニズムを解明できれば,そのメカニズムに沿って作り上げた構成式を提案でき,将来,数値シミュレーションを用いたマイクロマシンの設計に役立てることができます.


研究テーマ  金属材料の降伏強度に関する寸法依存性を考慮した結晶塑性有限要素解析
         結晶塑性モデルによる超微細結晶粒材料の有限要素解析
         多結晶金属箔の単軸引張状態における降伏応力の寸法依存性
         曲げ変形における多結晶金属薄膜強度の寸法依存性に関する研究
         単結晶金属薄膜強度の寸法依存性に関する実験的研究

これらの研究テーマは、H19~20年度 科学研究費補助金(基盤研究(C):研究課題名 「ミクロンスケール塑性論の体系化」)の補助の下に行われています。
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