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ポリマー(高分子材料)に関する研究

 本研究室では金属材料の他に,ポリマー材料(いわゆるプラスチック)を対象とした研究も行っています.現在,私たちの身の回りにある日用品の多くがポリマーの成型品です.また,軽量で強度が高いといった特徴から自動車用バンパーなどの強度部材としてもポリマーは使用されています.強度部材は大きな負荷や衝撃が加わる環境下で使用されます.このような材料を用いて構造物を安全に設計するためには,材料特性の十分な把握や高精度の変形シミュレーションが必要となります.

 

                                           図1 自動車のバンパー

これまで当研究室では,ポリマー材料の変形挙動をシミュレーションで精度良く再現することを目指し,様々な角度から研究を行ってきました.
 ポリマーには材料特性を改良するため,母材となるポリマーに異種材料を混合させるポリマーブレンドという技術があります.例えば,ゴム粒子を内部に充填させたポリマーブレンド(通常のポリマーより靭性が向上することが知られている)においては,変形するとともに粒子が剥離または破壊しボイド(すき間)を形成します.そこで,①球状であるボイドが引張方向に沿って楕円状に成長する異方性②ボイド成長による体積変化などの影響━を考慮したモデルの構築を実験とシミュレーションの両面から進めてきました.



   図2 材料の変形にともなうボイド球状の変化


 以上に加えて,引張方向への分子鎖配向による異方性や温度依存性ひずみ速度依存性など考慮すべき特性はいくつも挙げられ,これらを対象とした実験的研究も通常のポリマー材料を用いて行っています.












                                図3 実験とシミュレーションによる変形挙動の比較
                                     (ポリマーブレンドを用いた引張試験)
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